Archive for the ‘Allie’ Category
・・・もう半年・・・と3日
3月20日。Allieが亡くなったのが昨年の9月20日。ちょうど半年が過ぎた。もう? という感覚と、まだ? という感覚が入り交じったような不思議な気持ち。Aliceの嘔吐騒動で3日遅れになっちゃったけど。
今でも毎日欠かさないAllieの好きだったパンのお供え。今日はその中でも一番好きだったバームクーヘン。ホントこの匂いだけでダラダラヨダレ垂らして。そんなときのまん丸い眼差しが好きだった。
でも毎日の「おはよう」「おやすみ」。最近なにげなく「おはよう、Alice」とか言ってしまう。もちろんすぐ気付くんだけど。「ゴメン間違った」って。似たような名前にしちゃったからな。ただAliceが来たばっかりの頃は間違い方も逆だったのに。これが時間の流れなんだ。Allieのことを忘れるなんて間違っても出来ないんだけど。少しずつ記憶の奥底、穏やかな気持ちの中にしまわれていくっていうか。なぜか普段は騒々しいAliceも僕がAllieの前にいるときだけは大人しくて。いつも首を傾げながら様子を見てる。
AllieとAlice。犬種も性別も毛色すら一緒だし血も繫がってるんだから似てくるのは当然だけど。やっぱりキャラクターは違う。Allieは小さい頃も比較的大人しかった。それに辛抱強くて。その割に強情。しつけのトレーナーさんもサジ投げかけたほど。Aliceは正反対な感じがする。いまのところはね。
そんなAllieのことを話す機会がちょっと増えてる。Aliceの散歩で前も挨拶してた人たちとまた会うようになったから。「あれっ、久しぶりですね」なんて。で、なぁんとなく気付く。連れてる犬がちょっと違う。小さくなったって。自然と話しはAllieのことに。そうだ、Allieのおかげでいろんな人と話す機会も増えた。犬の散歩してる人や話しかけてくる子供たち。近所の人、公園管理の人。
半年が過ぎてAllieの記憶は確かに懐かしさに変わってきた。だから思い出すのは一緒にいて楽しかったことがほとんど。そして記憶の中で変わらないもの。あの真っ直ぐに僕に向けられてたまん丸な瞳。
梅の季節
寒い日が続くこのごろ。Aliceと一緒の公園で。きれいに梅の花が咲いてた。そんなの忘れかけてた。
去年の夏、Allieが亡くなってからパッタリと外を出歩かなくなった。ホントにパッタリと。必要に迫られての外出。だから目に入る景色はアスファルトとコンクリートの街並み。そこにあったはずの街路樹さえ目に入っていない、暑いと寒いだけの季節感。僕の中での季節感は去年の夏からなくなっていた。
半年前。Allieと一緒だった頃。毎日季節の変化を感じてた。咲き誇る花々が季節ごとに変わる。木々の緑も少しずつ色を変えていく。それらから薫るいろいろな匂い。木々を飛び回る鳥たちの鳴き声—カラスの多さがたまにキズだったけど。もちろん生き物だけじゃない。同じ道、同じ時間に歩く影の長さ。空気の濃さ。これらすべてが季節だった。
以前の僕はといえば本当に毎日仕事ばかりの生活。週の睡眠時間だって指折り数えても両手で余るぐらい。そんなのがザラ。そんなのを就職してからずっと続けてた。だから季節ってほとんど挨拶とテレビの中だけのもの。そう、Allieと会う前までは。
Allieと一緒になって少しずつ、ホントに少しずついろんなコトに気付くようになった。新鮮で気持ちのいい驚きの毎日。朝晩2時間ずつの散歩。周りからは「大変でしょう」とか言われてたけど、全然そんなことなかった。むしろ一緒に散歩するのが楽しかった・・・。
Aliceと歩く公園。そんな感覚がワッと蘇ってきた。あぁ、もうこんな季節。寒かった冬ももうすぐ終わりだ。暦ではまだ2月が始まったばかりだけど。そんな忘れかけてた感覚。Allieが教えてくれた感覚。そして、Aliceが思い出させてくれた感覚。
Allieのいない年越し
「楽・悲・落・喜」今年を表すとこんな感じ。でも一文字だと「悲」。そう、ホントどこ行くにも一緒だったAllieが亡くなったから。組織球性肉腫。憎い。
Allieはこの夏亡くなった女の子のドーベルマン。いつも一緒だった。5歳だった。たったの。今まで生きてきた中で一番悲しいくらいの出来事。息が出来なくなるくらい泣いた。2日間冷たい手をずっと握ってた。話しかけながら。もう応えてはくれないのに。自分がそんな風に泣ける人間だと思ってもいなかった。
病院で「今晩がヤマです」と言われた日。帰る途中、いつも遊びにきてた駒沢公園の横。それまで静かだったのに起き上がろうとする。首だってもう支えられないほど弱っていたのに。大好きな匂い? 涙が出てきた。そのあとはずっと励ましながら。ウチの近くにさしかかると、また一生懸命起き上がろうと。もうすぐだからね。もう涙でまともに前なんか見えてなかった・・・。
安心してしまったのか、亡くなったのはウチについてすぐだった。僕の腕の中で・・・。ありがとうAllie。
生活の中心が無くなってしまった。1日1日が無限に思えるほど長い日が続いた。
そしてAliceが来た。Allieの妹(正確には父親が同じ)が産んだ子。そして一緒に生まれた6頭中で唯一のレッドの女の子。Allieと同じ。神様、なぜ?
本当は、Allieのことは触れないつもりだったけど今日だけ。パンが好きでいつも二人で半分ずつ食べた。今でも大好きだったパンを毎日必ず買ってる。今は一人で食べるからちょっと太った。クルマに乗るのも大好きだった。乗り換えたAstroにはじめて乗ったとき、何となく落ち着かない感じでキョロキョロしてた。「今度からこのクルマでいろんなとこ行こうね」って言ったのに。仕事中はいつも足下。上目遣いでこっちをみながら。声をかけられるのをずっと待ってた。今も待ってる。天国できっと。僕が行くのを。そんな話しをどっかで聞いた。待たせてばっかでゴメン。亡くなってからも変わらない朝晩の「おはよう、アリー」「おやすみ、アリー」。それがタイトル。
同じところに住んで、同じようにドーベルがいて、同じクルマがある。同じように見えるけど、大きく違う今年の年末。あらためて、今までありがとう、Allie。そして、これからよろしく、Alice。
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